生活習慣病
Lifestyle diseases
生活習慣病は食事や運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣が深く関与して発症する疾患です。
当院では高血圧、糖尿病、高脂血症、肺気腫、その他の治療を行います。
高血圧
高血圧は治療が必要です
脳卒中や心臓病は命にかかわる重大な病気ですが、初期症状がほとんど無く、非常に重い状態になって初めてわかる事も珍しくありません。
高血圧はこれらの病気と深い関係が有るため、たとえ目立った症状が無くても、次の様な治療を行う必要があるのです。
(1)生活習慣の見直し
- ①食生活
- 塩分を多くとると血圧は上がります。1日に摂取する塩分は6~7gが適当といわれています。次の様な方法で塩分の取り過ぎを防ぎましょう。
- 香辛料などで味にアクセントをつけて、塩や醤油の量を減らしましょう。 食卓に調味料を置かないのも1つの方法です。
- 味噌汁は具だくさんにし、めん類のスープなどは残すようにしましょう。
- 干物、塩鮭などの塩蔵品を食べる回数を減らしましょう。
- ②睡眠
- 睡眠不足は体と血管に長時間の緊張を強いて、血圧を上げる原因となります。
規則正しく十分な睡眠を取ることを心がけましょう。 - ③体重コントロール
- 過度の体重は文字どおり心臓血管系に大きな負担となります。脂肪をため過ぎ無いように適度に体を動かしましょう。
(2)降圧薬による治療
生活習慣の改善だけでは十分に血圧がコントロールできない場合は、内服薬を使用します。さまざまな降圧薬がありますが、どれも数週間かけて徐々に効果を現すものなので、毎日規則正しく、根気よく服用することが必要です。
(3)その他の治療
薬の効きにくい高血圧のなかには、腫瘍が原因となっているものがあります。この場合手術によって血圧が正常化することがあります。
一緒に治していきましょう
鶴舞クリニックでは地域の中核病院などと連携しながら、様々な降圧薬や日常生活習慣の指導などによって、患者さんに最適な治療を提供しております。
血圧が高いとわかったら、放置せず当院までご相談ください。
糖尿病
血糖は、大切なエネルギー源です
人間の体の細胞はエネルギー源として、糖分のほかに脂肪、たんぱく質を利用しています。しかし、脳細胞で使われるエネルギーはブドウ糖だけです。
ブドウ糖は果物やでんぷん質の食品(米、パン、麺類など)で補給されます。空腹になると頭がぼうっとしてくるのは、血液中の糖分(血糖)が減って脳での糖分が不足するからなのです。
このように、ブドウ糖は体の活動になくてはならないものですが、一方で血糖が増えすぎないようにインスリンという物質で調節されています。
しかしその効果が十分でないと血糖が増え、さまざまな異常を体に引き起こします。これが糖尿病なのです。
怖い合併症
・口が渇く・水を多く飲む・尿が多い
・冷や汗・ふるえ・やせてきた
これらの症状は、糖尿病に多く見られる初期症状です。
ここで治療を開始せず血糖の高い状態が長く続くと、全身の細い血管の循環が阻害されます。これが下表の様な合併症につながり、最悪の場合生命を落とすことにもなりかねません。
合併症 | 症状 |
---|---|
腎症 | 蛋白尿、足のむくみ、尿量減少、腎不全 |
網膜症 | 霧視、視力障害、失明 |
神経障害 | 足先のしびれ、歩行困難 |
ほかにも、免疫機能が弱まり細菌に感染しやすくなったり、血行障害のため手足の指先が腐って壊死することもあります。糖尿病のほんとうの怖さはこれらの合併症にあるのです。
まず、血糖のコントロールを
合併症を防ぐには、これに尽きます。
早い段階であれば糖分を摂りすぎないようにするための食事療法と糖分をしっかり消費するための運動療法で血糖はかなり改善します。
しかし、いろんな事情で血糖の管理が難しい場合もあり、そうした場合は薬剤による治療が必要ですし、合併症の治療もあわせて必要になることもあります。
健診で早期発見、早期治療を
糖尿病にははっきりそれとわかる初期症状があるわけではありません。また、当然ですが血糖値も測定しなければわかりません。一方で糖尿病の恐ろしい合併症を未然に防ぐには早めに発見し治療を開始するしかありません。
当院では糖尿病を早期に発見するために、健診で糖負荷検査を行っております。
また糖尿病の患者さんには合併症を早期に発見するための検査を行いながら糖尿病の運動療法、食事療法から内服治療についても行っております。
お気軽にご相談ください。
肺気腫
たばこと肺気腫
肺は肺胞(はいほう)と呼ばれる非常に小さな構造が集まってできていますが、たばこを吸うと、煙に含まれる様々な有害成分によってこの肺胞が少しずつ破壊されて行きます。
肺胞は非常にたくさんあるので多少減っても症状はでませんが、長期間たばこを吸い続けていると正常な肺胞が少なくなり、息苦しさを感じるようになってしまいます。この状態を肺気腫(はいきしゅ)といい、肺の構造はスカスカとなってしまっています。
たばこをやめないと…
肺気腫となっても初めは走ったり階段を上ったりした時に息苦しさを覚える程度ですが、だんだん歩いたり体を動かすだけでも苦しくなってきて、最終的には鼻からチューブを通して24時間酸素を吸入しなければならなくなります。破壊された肺胞は元に戻せないため、この時点で禁煙しても症状は改善しません。
症状が出る前に禁煙することが肺気腫を予防する唯一の方法なのです。
禁煙はいつでも始められます
禁煙は非常に難しいと言われていますが、これは喫煙が生活の一部となっていることや、たばこに含まれるニコチンに依存性があることが大きな理由です。最近では、ニコチンをたばこ以外のガムや貼り薬などで補給してたばこへの依存を減らす方法や、医療スタッフとの定期面談等によって、禁煙に成功する事例が増えて来ています。
当院では禁煙したい、禁煙したいけど何度も失敗した、といった方の相談を受け付けております(自費扱いとなります)。
肺気腫以外にも様々な病気の原因、悪化要因となるたばこと縁を切るために、もう一度がんばってみませんか。
高脂血症(脂質異常症)
コレステロールも中性脂肪も、体に必要なものです
コレステロールは、私たちの体をつくる細胞の重要な材料です。また、ステロイドホルモンや、消化酵素(胆汁酸)の原料となっています。
中性脂肪は、体に必要なエネルギーを最も効率よく蓄えます。皮膚の下にたまる皮下脂肪には保温や外部からの衝撃を和らげる役割があり、内臓の周辺にたまる内臓脂肪には内臓の位置を一定に保つ、といった機能があります。
このように、コレステロールや中性脂肪などの脂質は、本来体に必要なものですが、過剰に体内に蓄積すると様々な障害や疾患を引き起こします。これを高脂血症といいます。
コレステロールの高値が続くと
コレステロールは、LDL−コレステロール(悪玉コレステロール)とHDL−コレステロール(善玉コレステロール)の2種類に大きく分けられます。
肝臓で合成されたLDL−コレステロールは、血管を通じて全身に送られます。血管内で余ったコレステロールはHDL−コレステロールの形で肝臓に回収され、ホルモンや胆汁酸に利用されます。
しかし、LDL−コレステロールが回収されないと血管の壁に付着し、血栓や動脈硬化に繋がります。特に動脈硬化は脳血管疾患や心筋梗塞の重要な原因となります。
中性脂肪の高値が続くと
脂肪分の多い食事や運動不足によって、血液中の中性脂肪が多くなり皮下脂肪や内臓脂肪となります。前述の様に、皮下脂肪や内臓脂肪にも大切な役割がありますが、多すぎは体に良くありません。特に内臓脂肪は糖尿病などの生活習慣病の原因となります。
高脂血症の治療・予防
- ①食事を見直しましょう
- コレステロールを多く含む食品(レバー・魚卵・干物・ケーキなど)や、中性脂肪を上げる食品(砂糖を使った食品、果物、肉の脂身、バター、アルコールなど)を取り過ぎない。
- コレステロールを上げない食品(イワシ・サンマ・サバなどの青魚や、海藻・葉物の野菜など)を取るよう心がける。
- ②運動の習慣を取り入れましょう
- ウォーキングなど適度な運動をすることで、脂質を体にため過ぎない様にする。
- ③それでも駄目な場合は
- 食事や運動によってもあまり改善しない場合は、コレステロールや中性脂肪を下げる治療薬を検討しましょう。
当院では患者さんの状態に合わせた生活習慣の見直しや、治療薬の検討を行っております。お気軽にご相談ください。